SHOOTING THE MOON

宝塚の話を中心に好きなものを好きなだけ

月組『Rain on Neptune』で美しさを浴びた話④

 

みなさんこんばんは!

 

今日はコンサート部分を曲ごとに所感をざっくり書いていこうと思います。
やっとムーンライト伝説の話ができる…!

ブルーレイ出るまでは、セトリ見たくない方は回れ右でお願いします。自分の記憶装置がポンコツなのでセトリを追いながら所感を書き進めないと書きもれそうで(笑)


まず、ディズニーメドレーから!

 

Over The Rainow

フィナーレ?コンサート?がこの曲でせり上がりする鳳月杏から始まるのどう考えても天才の所業です。助かります(助かります)

たった一人であの舞浜の会場の空間を埋められるの、さすがの一言に尽きます。白の燕尾服に身を包みのびのびと踊る姿は本当に美しかったです。

そして、画面の扉が開いてれいこさん(月城かなとさん)とうみちゃん(海乃美月さん)が手をつないで出てくるのこれも天才の所業です。

デュエダン何もかもが最高すぎて何から語ればよいのかもはやわからないのですが、衣装がとても品のあるおそろいの紺色の燕尾服とドレス。ふたりの美しさや持ち味をぐっと引き立てる衣装で泣いてしまうくらい素敵でした…

振り付けで好きなところが二つあって、一つ目がキスするところ。幸運なことに1度目は上手から2度目は下手から観劇させていただいたのですが、上手で見た時はふたりの距離が想像以上に0距離で、ドキドキが止まりませんでした。下手で見た時は、キス後のれいこさんがど正面から見れて、「そんな顔してうみちゃんを見つめるのね…」と震えてしまいました。色気がカンストしている。
もう一つがうみちゃんの腕に手を添わせて最後に手を握る振り付けです。あんなに力強く手を握るの、運命をつなぎとめる、つかみ取るような感じがして大好きです。前作で「確かなものは何もないけど~」と歌っていたこととか思い出してしまって、握る手の力強さに泣いてしまいました。ロマ劇のおかげで、触れ合うれこうみ見るとぐっと来てしまうの私だけじゃないですよね…

好きなとこが多すぎるのですが、このデュエダンは互いへのの愛おしさを見ているようで本当に大好きです!

 


Under The Sea

拍手が難易度高すぎることで初日以降話題になりましたが、Twitterポルノグラフィティのアゲハ蝶の手拍子と教えてくださった方がいて非常に助かりました(15年来のファン)。私が観た日には完ぺきだったのでさすが拍手の月担です…!

ここは娘役の人数の関係で、まおまお(蘭尚樹さん)とかのんくん(彩音星凪くん)がペアになっていてとてもキュートでした。ものすごく盛り上がっていて、ここが舞浜であることを実感してとても楽しかったです!最後の決めポーズもキュートなので円盤では広角で写っていることを願います!

 

 

Compass of Your Heart

これが本当に良かった…選曲から優勝しているのに演出があまりにパーフェクトで、初見は号泣してしまいました。れいこさんの歌い方や歌声にぴったりすぎる曲でした。

まずトレジャーハンターのみんなと歌うところから始まり、そこからシャドーとスターライトと少年シャトーが加わって踊り、後ろには組子みんなが控えていて、みんながれいこさんや客席をまっすぐ見つめているのを見るとほんと胸が熱くなりました。何より良かったのは、うみちゃんとちなつさんが階段の上の舞台に上がるんですよね。最後にみんなに囲まれながら朗々と歌い上げ力強く正面を指さして終わるところあまりにも完璧な構図でわんわん泣いてしまいました。

大好きな方が中心になってみんなが同じ方向を向いている姿が本当にまぶしかったです。思い出すだけで胸が熱くなります。

あとうみちゃんとれいこさんだけ衣装が青のままだったのミキミニって感じがしてそれも最高でした…

 

 

How Far I'll Go

うみちゃんの力強い歌声が本当に素晴らしかったです。配信ではついにすべて地声で歌っていてびっくりしました。さらにその陰にはれいこさんのアドバイスがあったというエピソードも。アドバイスをいただいて10日間という短い公演のなかできっちり地声歌唱に持っていけるうみちゃんのプロ根性にあっぱれだなと思いました。本当に信頼できる我らがプリンセス…

あと曲の最後のスカートさばきが最高です。うみちゃんのスカートさばきが私は大好きなのですが、今回もあまりに完璧でドラマチックで最高でした。

 

 

ここからは、スペースメドレーです。


銀河鉄道999

ちなつさん本当にJPOP歌唱うますぎない?このコンサートにこの方がいて本当に良かったとおもえる堂々たる佇まい。さすがです。

ちなつさんとみうみん(美海そらさん)が組むまでいかずとも、一緒に踊っていたの本当に嬉しかったです!ドリチェのミロンガとロケットみてからみうみん注目していたので!

曲の最後の敬礼と立ち去るときの俊藤さんのあばよポーズが最高でした!本当にちなつさんは魅せ方が天才的です…

 


宇宙戦艦ヤマト

月男のイワシ群舞最高でした。あの箱にぴったりのフォーメーションダンスでワクワクしました。

ちなみに観劇時にぐっさん(春海ゆう)にがっつり釣られてしまってかっこよさに唸りました…渋すぎるよ…

 

 

コブラ

りりちゃん(白河りり)が本当に天才でした!!!!!!!!!!

あまりに色っぽくて上手すぎて最高でした。

正直娘役でこんな完璧な地声歌唱できる子なかなかいないので、娘役歌唱でも素晴らしいけど地声歌唱が観たいと思い続けていて、ロマ劇代役の歌姫、FSのエトワール、そして今回のコブラ、本当にありがとうございましたの気持ちです。これからもたくさん彼女の歌が聞きたいです。

あとのりんちゃん(一乃凛さん)が色ぽい表情をしていてそんなお顔できるの!?ってびっくりしちゃいました。残念ながらロマ劇/FSは全日程休演でしたが、今回素敵なそして元気なお姿が見られて嬉しかったです。

 

 

乙女のポリシー

オタクの見た夢かと思いました…月娘可愛すぎる…

月娘って「かっこいい」「大人っぽい」というイメージが強いと思うのですが、そんな彼女たちが全力で「かわいい」「乙女」を表現していて本当に堪らなかったです。本当にみんなまとめてかわいい…

うみちゃんのセーラームーンポーズが観られたのもタカヤ先生ありがとうの気持ちです。

そしてみちるちゃん(彩みちるさん)が歌うの天才の采配でした。声がぴったりだし、月組に来てから一人で歌う場面を任されるようになってさらに歌が上手になったところ大好きが詰まっています。月組の彩みちるは最高です!!

 

 

ムーンライト伝説

「伝説」のムーンライト伝説。マイ初日、この場面のことしか覚えてないくらいすべての記憶を飛ばされる衝撃でした。誰がこんな色っぽいムーンライト伝説を想像できましたか…?

娘役が2列になってその間をれこうみが向いあって歩いていくところの、れこうみの振り大好きです。で、タンゴみたいに組んで前に出てきて、うみちゃんが歌うのかなと思ったられいこさんが超絶イケボで「ごめんね、素直じゃなくて」と歌いだして、「ええっ!?れいこさんが歌うの!?」ってなりました。

ほんとうにれいこさんの色気がカンストしていました。「ショート寸前」の振り付けが天才すぎます。美容室で「まもちゃんにしてくださいって言ったことある」って謎にどや顔してた人が色気満載のムーンライト伝説歌っているの本当に天才すぎます。タカヤ先生本当にありがとう…

がっつり男役としてキメて宝塚歌唱のまま歌うので、あれ?ロマンチックレビューの主題歌かな?って思わず惑わされました。「ハートは万華鏡」の「ハ」が息多めなのも、「月の光に導かれ」のひかりの「か」の声の伸び方も大好きです。私の大好きなれいこさんの歌い方が詰まっている…

最後、「信じているわ」だけはうみちゃんが主旋律を歌うのも最高ですね。

「月の光に導かれ何度も巡り合う」の歌詞あまりにもれこうみすぎて、れこうみの世界線以外で考えられない選曲でほんとうに天才です。タカヤ先生ありがとう…(2回目)

そして振付が全部天才すぎます。何もかも好きですが、後ろで男役がゴリゴリにキメてくるのも最高だし、うみちゃんのリフトも二人が背中合わせで近寄るところも大好きです。でも一番好きなのは「不思議な奇跡クロスして」のところで背中合わせで回るところです。あんな素晴らしい振付がほかにありますか?アニメみたいで、でも二人らしくてロマンチックで大好きです。

後ろの男役のイケ散らかし具合をもっと見たかったので頼むから一刻も早く円盤ください…

2週間たった今でもまだまだ思い出しただけで狂えるとんでもないムーンライト伝説でした…タカヤ先生ありがとう…(3回目)

 

 

ここまででこんなに素晴らしいのにまだ宝塚メドレーが残っているの、正気か?気持ちです。助かります(助かります)

書き切ろうと思ったのですが、ここまでまさかの3500文字越えしたので宝塚メドレーは次回にします…

次回でいよいよレイネプ書き終えるはずです…

 

「天才!」しか言ってないこんなに長いものを最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

月組『Rain on Neptune』で美しさを浴びた話③

こんばんは!

本日月組集合日だったのでギャッツビーの配役や退団者の発表がありましたね。夢との別れが必ずあるの、ほんとうに切ない世界です。しっかり3人の姿を見届けたいと思います!

さてさて、このブログではまだまだレイネプの話をします!まだレイネプを終わらせないぞ(強い意志)



前回はれいこさん(月城かなとさん)の所感で終わってしまったので、芝居の所感の続きを書いていきたいと思います。


ネプチューンベルメール/海乃美月


ネプチューンの自己認識が「人形」であるときと「心を持つもの」であるときの演じ分けやその移り変わりが手に取るようにわかるの、本当に素晴らしかった。
こういう「普通」と「狂気」の演じ分けをさせたら海乃美月の右に出る者はいないと前々から思っているのですが、まさにその彼女の強みが光ったのがネプチューンだと思いました。
マスクをつけて人前に出るときのこの世のものとは思えない美しさと「異質さ」に対して、居室でシャトーと対峙するときの好奇心旺盛な少女のような姿、旅立ちの時の笑顔、その眩い変化がとても素晴らしく、彼女の出来がこの物語の出来に大きく関わるという役目をきっちり全うしていたと思います。さすが我らが月のプリンセスです。

ベルメールは早く大人にならなくてはならなかった少女だと思っていて、それでいてまっすぐに現状を受け止められる強さと純粋さがあったから、シャトーは彼女を愛したのだと思うし、今も愛し続けているのだと思う。



トリトン/鳳月杏

トリトンは本当に罪深いというか、その罪深さを世界のせいにできるから生きて来れたんだろうなと思う。どこまでも「男」だよなとも思いました。子供ではなく愛した女が優先されること、幼い子供を自分だけでなんとしても育てていくのではなく、育ててくれるものとしてのクローンを作り出そうとしたこと、クローンを作った結果地球から追放され子供を捨てることになること、きっかけは「世界」のせいかもしれないけれど、自分が全てその後の結末を選んでしまっているところが、どこまでも罪深いね。ベルメールがあんな風に育ったのはベルメール本人の強さ故なんだと思いました。

そういう罪深い男を嫌味なくナチュラルに愛情として演じられるのがちなつさんだよなと思いました。全て計算し尽くされている。

ちなつさんはいつも「あなたにしかできない」という役を演じていらっしゃると思っていたけれど、この人がどんな役も「あなたにしかできない役」にしているんだろうなあと気づきました。れいこさんとはまた違った観点の「想像力」のある人ですね。だからこの2人の芝居は楽しい。



トレジャーハンター

仲間の3人もとてもチャーミングでした。Now on stageで語っていたようにそれぞれ背負っているものがあって集まったんだなというのがワクワクする。
3人の出会いの物語ありませんか??スピンオフ待っています!
あと雪組時代のれいこさんを映像で見て堕ちた身としてはやはり、みちるちゃん(彩みちるさん)とれいこさんが並んでるのはやっぱり嬉しいなと思います。2人の掛け合いが軽快で、それがとても良かったです。
嫉妬するみちるちゃんは全ヅカオタが好きなのでありがとうございますだし、戦いの場面のお色気作戦は冴子の経験が活きていてすっごく素敵でした。



少年シャトー/蘭尚樹

少年シャトーすごくよかった!無邪気だけど空想だけでは生きていけないことをきちんとわかっている少年を的確に演じていて、まおまおの少年シャトーだから、「ベルメールに大事にしてもらったから真っ直ぐ育って来れた」という大人シャトーに繋がっていくよなと思いました。
ベルメールがいなくなってから切羽詰まっている姿や切実な姿への変化も鮮やかで、それが痛くて仕方無かった。素晴らしい。
「忍び込むのは得意さ」というセリフを大人のシャトーも少年のシャトーも言うんだけどお互いの面影が見えるのがとても感動しました。
確実に大人シャトーにつなげていくという役割を冷静に理解できるまおまおだからできた少年シャトーでした。




宝石のみんなもスターライトとシャドーのみんなもきちんと自分達の役割や役作りを理解して演じているのが伝わってきて、「だから月組が大好きだ!!!!!」という気持ちになりました。現場2回と配信1回しか見れてなくて、全体を冷静に見られていないので、早く円盤ください〜〜〜!



お芝居の話ができたので、ようやく次回はコンサート部分に突入します!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

『グレート・ギャッツビー』制作発表会で胸が熱くなった話

 

みなさん、こんばんは!

 

まだレイネプ所感の続きが書き終わってないのですが、今日グレートギャッツビーの制作発表会があり、そちらで大興奮したので今日はその話をします。

 

kageki.hankyu.co.jp

 

やはり美しさに定評のある二人。今回ももれなく美しいです…!

月城かなとに白のタキシードを着せようと尽力くださったすべての皆様にお礼をしたい気持ちが止まりません。れいこさん本当にかっこよすぎる…

また舞台に行けば変わると思いますが、また今回もがらりとメイクをかえていらっしゃって、それがやっぱり素敵だと感じます。

うみちゃん(海乃美月さん)もものすごくきれいで、『THE LAST PARTY』『FULL SWING!』でもみせた20年代のウェーブヘアとドレスがとても似合うこと…!

禁酒法時代のアメリカが本当に似合うお二人です。うっとりします。

 

さて今回は新曲「入り江がひとつだけ」と「朝日の昇る前に」を披露されたそうです。

デュエット曲が新曲なのめちゃくちゃ楽しみですね!こちらはまた映像で確認したいと思います!

 

ここからはネットニュースで集めた情報で悶えた点を2つお話ししたいと思います。
以下の記事が写真も多くインタビューも充実していたのでリンク貼っておきますね!

 

natalie.mu

 

 

デュエットの写真で見る二人の男役芸・娘役芸

 

ナタリーの記事の写真だとわかりやすいですが、バックハグで歌唱する二人の写真の手元に注目して、私はそのこだわりに鳥肌が立ちました。

バックハグされているうみちゃんがれいこさんの3本の指だけ握り、れいこさんの小指がうみちゃんの手の甲にのせられているのです。

こうすることでれいこさんの手が大きく、うみちゃんの手が華奢な印象を与えます。

これが男役、娘役を極めていくということなんだなと思い、とても胸が熱くなりました。

男役10年といいますが、やはり娘役も極めていくのに同じだけ時間が必要だと感じていて、こういう細かい芸の積み重ねでこんなにも鮮やかに、自分を、相手役を引き立たせるの本当にすごいなと思います。

何回見ても胸が熱くなるので、これ映像で見たらぐっと来てしまいそうです…

 

 

月城かなとが語るコンビとしての意気込み

 

「お互い、2人で同じものを目指して作っていくことがやりやすくなってきたと感じます。この作品には普遍的なものがありますし、単なるラブストーリーではない。いろいろな作品に挑戦してきた2人だからこそできるラブストーリーを作っていきたいと思います」

 

れいこさんはいろんな媒体で「トップコンビとして」や「二人について」のお話をされていますが、今回もとっても素敵で、胸が熱くなりました。

れこうみのトップ就任が決まった時、一部の心無い声で「見飽きた」といった言葉がネット上で見受けられました。とても悲しかった。

その声はきっと本人にも届いていて、れいこさんはいつも「お客様に新鮮に感じていただけるように」と様々な媒体でお答えになられていて、それを見るとどこか申し訳ない気持ちになっていました。

私は二人の舞台を見て「飽きた」「前と同じか」なんて一度も感じたことなく、いつも期待以上の舞台を見させていただき、見れば見るほど「これからもこの二人の作品をもっと見たい」と感じていたから。

だからこそ、「いろいろな作品に挑戦してきた2人だからこそできるラブストーリーを作っていきたいと思います」という言葉はうれしかったです。二人が真ん中に立って作ってこられたすべての作品が糧になって、お二人の自信につながっているんだなと感じました。このお二人はさらにすばらしいものを見せてくだるんだろうなと確信しています!

 

 

そんな素晴らしいお二人が中心になって作り上げる月組の『グレート・ギャッツビー』、心より楽しみにしています!

月組『Rain on Neptune』で美しさを浴びた話②

Rain on Neptune千秋楽おめでとうございます!

今回も完走できてホッとしました。

歌劇団としてひとつでも多くお客様にお届けする」とロマ劇のムラ千秋楽でれいこさんがおっしゃっていたけれど、そういう覚悟や想いが詰まった舞台が完走できたこと、やはりうれしいなあ。

 

たった10日間は短すぎる…と思っていましたが、観劇日だけでなくTwitterを通じて毎日レポで狂っていたので、このまま公演が続けば間違いなく日常に戻れなくなるところでした。

きっとそれを見越しての10日間だったのでしょう(違う)

 

さて前回は視覚的な美しさについてしかお話できなかったので、今回はお芝居について、気になった人たちの所感をざっくばらんにお話ししようと思います!

 

 

物語自体について

 

プロットがわかりやすくて、スピード感もあってよかったです。ディズニーとかでショーとして上演されてもおかしくないようなお話でした。

プログラムでタカヤ先生が、コロナで公演中止を何度も余儀なくされている宝塚を前に「アンハッピー脳が死んでしまった」とおっしゃっていたけど、本当にその通りの物語でした。それにしても、アンハッピー脳が死んでしまったと言う言葉とっても良いなあ。

関係性があまり深掘りされていないと言う声もあったけど、この短い時間かつ制限の多い舞台という箱ありきのこの芝居だったと思うし、もともとタカヤ先生は物語が緻密と言うよりも、どう演出するかが秀でている人だから、今回もその手腕が発揮されたという印象。グッジョブです。

これくらい軽快な話だから行間を詰めなくても「考えるな、感じろ」的な作品で良かったんだと思います。

でもこういう本に隙間が多い芝居でこそ月組生の芝居力が光るなあと感じました。みんなの作りこみが面白くてワクワクしました。

本当に月組の芝居が大好きだ…!

 

ここからは役やその人の芝居について思いつくままに書きます。

 

 

シャトー・ド・カロ―♦/月城かなと

久しぶりにれいこさんの「自ら進んでいける役」を見た気がする。

れいこさんの本来の性格と近いものだったんだろうなと思うと、れいこさん自身もとても楽しんでるように見えてそれがとてもよかったです。

れいこさんの魅力の一つに「声」があると思うのですが、発声と滑舌の良さが光っていました。とにかく声がいい。

アニメのようなセリフがたくさんあるんだけど、呼吸の作り方が丁寧だから、くさくなったりせず物語に集中させてくれるの素晴らしいです。タカヤ先生の「れいこさんに言わせたいセリフのオンパレード」って感じがして、趣味?癖?が詰まっていて最高でした。

「必ず迎えにくる、君ごと盗んでみせるさ」は下手に座っていた時にど正面でれいこさんの顔を見ることができて、顔真っ赤になりました。なんだあのかっこよさは。


特にれいこさんのお芝居が光ったのは、大人シャトーが少年時代の回想を階段の上からそっと見つめるところ。

セリフは一切ないんだけど、見つめる目が愛おしそうで切なそうで苦しそうで、少年時代の「記憶」を大事に大事に抱えて生きてきたというのがよくわかりました。

うーちゃん(英かおとさん)がDreamTimeで「こんなにも思いが目からビンビンに伝わるんだな」と川霧の橋を通じて感激したという話を思い出して、そのことにものすごく納得した瞬間でした。彼女の目はいつだって雄弁で、その視線で人生が、想いが見える。この目をしっかりと追えたのはこの舞台ならではだなあ。普段は袖からしか見られない光景を客席から見させてもらえるの、本当に素晴らしい劇場だなとしみじみ思います。

 

シャトーについてですが、あんなにつらい幼少期をすごしてきたのにあんなまっすぐな大人に育ったの偉い。ベルメールからきちんと愛されたという実感があるからシャトーはベルメールとの思い出と共にまっすぐに生きてこれたんだなと思います。これは少年シャトーがベルメールに「怒ってほしい」と伝えるところからもよくわかる。怒ってほしいって、相当相手のことを、相手から受ける愛を信頼していないと出てこない言葉だと思っていて、ベルメールの愛をまっすぐに受け止めていたことを感じて、何度見ても絶対ここでぐっと来てしまいます。

そんなベルメールを救えなかったこと、ずっと心にしこりのように残っているんだろうな、だけどその痛みすら愛おしいんだろうなと思わされる台詞の数々、すごく良かったです。

だからこそ、シャトーがベルメールのことを愛した女ではなく「恋した女」というのとてもよかった。同じ理由で、硝子の欠片のことをとてもとても大事に抱えて生きてきたのに「こんな偽物が?」と言うのも、シャトーの傷と記憶のベルメールへの愛おしさを感じて大好きでした。

ベルメールを迎えに行けなかったこと、間に合わなかったことを悔やむ気持ちがあるからネプチューンのことは「必ず迎えに行く」と何度も歌うの愛だなと思います。

あと、ネプチューンの居室のシーンで「どうしてそこまで言ってくれるの?」に対しての回答が「ベルメールの影に…いや違うな、君自身に惹かれたからさ」と答えるところ、私のシャトー大好きポイントが詰まっています。自分にとって何が本物のお宝かは自分が一番よくわかっているということがシャトー自身を表しているよなと思いました。素直に自分の思いをまっすぐ口にできる人なんですよ、シャトーは。

クールちゃんに注意?嫉妬?される台詞が「笑ってる君はとても美しい」なのもとても好きです。シャトーにとっては素直にそう思ったから口にしただけなんだろうけど周りには愛の言葉に聞こえているのがとても良い。シャトーそういうところだぞ!の気持ちが止まりません。

れいこさんは「真実を見つめることができる人」を演じさせると天下一品だなと思います。れいこさんの観察力(組子がよく言う透視能力)がお芝居でも光るのだろうなと思います。すべてわかった上で自ら決断する役を演じるれいこさんが改めて大好きだなあと思いました。

 

大好きなれいこさんの話だけで2000文字超えたので、次回に続きます。

これ何回で書ききれるのだろう…

 

ここまで読んでくださりありがとうございます!

月組『Rain on Neptune』で美しさを浴びた話①

先日、月組舞浜アンフィシアター公演『Rain on Neptune』を観劇しました。
本当に楽しくて素敵な作品で、とても幸せな気持ちで劇場を後にしました。

その感想を少しずつまとめていこうかなと思います。


美しさを浴びた時間

 

間違いなく私は舞浜で美しさを浴びました。

 

タカヤ先生は「視覚的にどう魅せるか」へのこだわりがものすごく強い先生だから、180度客席がある円形舞台、かつおおきな舞台機構の転換ができない舞台をどう見せるかというところ、とても上手で唸っちゃいました。

 

特に芝居の全登場人物の衣装と鬘へのこだわりはすごかった。

 

有毒な雨が降る地球のシーンは、回想シーンということもあって限りなく色味を抑えた衣装だったんだけど、有毒な雨から守るマスクが美しい。照明と相まって、セピア色だったのが記憶の欠片という感じがしてすごく好きでした。


海王星でのシーンは宝石たちも王もみんな色鮮やかで、鬘の形も色もあまり見たことないものが多くて、一人一人がとっても素敵でした。

 

原色というより、パステルカラーのような色彩が使われていた海王星の皆さんに対して、トレジャーハンターの4人は原色や深い色味の衣装だったのが、地球と海王星の違いみたいなのを明確に視覚で示していたのもとてもよかったです。

 

 

登場人物みんなすてきでたまらなかったんだけど、やっぱり中でも好きなのはシャトーとネプチューン

 

銀髪に紫色のカラコンを入れた月城かなとさんは、メイクの色味をかなり抑えていたにもかかわらず、あまりに隙のない美しさだった。

あんなヌードカラーのリップで美しくなる人いますか?

中央のセリから回転しながら登場した時はフィギュアみたいだなと思いました。頭身バランスもお顔もあんな完璧な美しさ他にないです。

元から美しい人だと知っていたけれど、2月に観たロマ劇/FSのときよりも何倍も美しくなっていたように思います。

母が「自信がますます美しさに磨きをかける」と言っていたけどその通りで、男役としても女性としてもますます美しくなる姿を見られているの本当にありがたいなあ。ファン冥利につきます。


ネプチューンの衣装も鬘も完璧だった。あのままメットガラ出られます。うみちゃん(海乃美月さん)の硬質な美しさにとてもピッタリの衣装でした。

特に好きだったのはティアラとマスク。

ティアラの大きな石が光の当たり方でいろんな色に見えるので、青い髪と相まってとても美しくて、この星の頂点にいるものとしての美しさの説得力がすごかった。

人形になるためにつけるマスクもとても美しくて、美しい2人が向かい合ってマスクを外すシーンは宝塚史上最も美しいシーンだと言っても過言ではないと思う。あれをあの会場で様々な角度で見られたの本当に素晴らしいです。タカヤ先生本当に天才です。

 

ああ、彼女たちの美しさを形容する言葉を全然持たないのがとても悔しいです。

 

舞台装置もとても美しかった。

 

舞浜公演あるあるの階段が螺旋だったのを見た時に心の中でガッツポーズしました。盆が回ると見え方が変わるところも、上りながら盆が回っていく演出も全部美しくて最高でした。

階段についている街灯のような雫もとても美しくてよかったです。

 

ウォーターパネルとドットイメージもこの箱ならではだなと思いました。
特にネプチューンの居室でのウォーターパネルの使い方…
心の中でタカヤ先生と熱い抱擁しました。ウォーターパネル越しのネプチューンなんて大正解に決まっている。本当にきれいでした。

 

忘れてならないのがブランコ。

ブランコに乗る彩音なんて月担みんな好きに決まっとる~~~!と叫びました。ミーマイの時にうみちゃんサリーが座ってるとこから始まるのもとってもかわいくて好きです。

 

なによりブレスレットライトのおかげで自分も演出の中に入ったような没入感も最高でした。

月城シャトーが見つめる星がお客さんなんてあまりにロマンチックすぎますよ…

 


本当にタカヤ先生の舞台機構や衣装、演出はワクワクします。最高の演出で月組生を彩ってくださり大感謝です。

 


ビジュアルの話だけで1700文字を超えたので芝居部分とコンサート部分の話は次にします。